こんな人におすすめ
- はじめてイヤホンを買おうとしている人
- 低価格で音の良いイヤホンを探している人
- 楽器やっていて耳コピ用イヤホンを探してる人
- メインのイヤホン(ヘッドホン)は所有しているけど、気軽に扱えるサブ機が欲しい人
概要
HSE-A1000PN(以下、有線ピヤホン)は、日本のオーディオメーカー、株式会社ALPEX(アルペックス)とポータブルオーディオ専門店e☆イヤホン、株式会社TMネットワークが「求めやすい価格帯でリスナーの感動を深めるイヤホン」をコンセプトに共同開発するコラボレーションブランド「Hi-Unit」のHSE-A1000を、イヤホンマニアでも知られる凛として時雨のドラマー「ピエール中野」氏がこだわりのチューニングを施した大人気モデル。
「最高のエントリーモデルを作る!」という強い熱意のもと、ピエール中野氏が開発・製造拠点である中国の工場まで赴き、現地エンジニアとディスカッションと試聴を重ねて作り上げた。
これにより従来モデルHSE-A1000と比較して、低域はよりタイトで力強くも聴き疲れしない量感を持ち、高域はクラッシュシンバルやハイハットなど耳に刺さりがちな成分を抑えつつもクリアに響く同価格帯では頭一つ抜けたチューニングとなっている。
製品スペック
型番 HSE-A1000PN
ドライバー構成 φ10mmダイナミック型×1
インピーダンス 16Ω
音圧感度 96dB
再生周波数帯域 50~20,000Hz
最大入力 5mW
接続端子 Φ3.5mmステレオミニ(ストレート型)
コード長 1.2m
重 量 約14.5g(コード含む)
付属品 イヤーピース4サイズ(XS/S/M/L)各1ペア、キャリングケース
カラー ガンメタリック、ピンク
店舗限定カラー ケーズデンキ:スモーキーオレンジ
タワーレコード:タワーレコード
ビックカメラ:ドラムシルバー
ヨドバシカメラ:ヒーローレッド
TM ネットワーク:タイムマシンヴァイオレット
レビュー
結論から言えば、「ロックなもん」的にはマストバイアイテム。ロック系のみならずEDM系を聴く人なら1つ持っておくべきイヤホンだ。
あくまでも「1000円〜2000円代というエントリークラスのイヤホンでは」という但書は付けたいが、その辺の3000円〜5000円クラスよりは気持ち良く音楽に没入できる。
ベースモデルHSE-A1000が¥954(税込)なのに対して有線ピヤホンは¥1700(税込)と¥746の価格差があるが、イヤーピース4サイズの他にベースモデルには付属していない断線防止用のキャリングケースが同梱されている。通常コラボモデルはロゴ付いていたり、カラーが変更されているだけでもファン心理をついた値上げが当然のようにされるものだが、有線ピヤホンについてはキャリングケースを別途購入する場合を考えると、カスタムチューニングがされているにも関わらず、実質値上げナシと言っても過言ではないと思う。
今回ピエール中野氏が拘ったというチューニングのポイントは以下の3つ
- 解像度が高いこと
- 音の定位がしっかり感じられること
- 聴いていて楽しめる音のバランス
それを踏まえて筆者が試聴で良く使うプレイリストを有線ピヤホンで聴いてみた。曲名の後の☆の数は有線ピヤホンがその曲にあっているかを筆者の主観で示したものである。ちなみに筆者のメインイヤホンは解像度お化けのSENNHEISER IE800である。価格帯が全然違うので比較というより解像度の高いイヤホンを聴き慣れた耳に有線ピヤホンがどう聴こえるかを検証してみた。
1曲目 X / Silent Jealousy ☆☆☆☆☆
第一印象はベースが潰れず、ハッキリラインが聴こえる。パワーもあり、IE800よりボリュームを下げても迫力十分。適度な音圧や密度はありつつも、各楽器の分離、粒立ちも良い。ストリングス系が割と主張を持って聴こえるのでゴージャスな印象。
2曲目 THEE MICHELLE GUN ELEPHANT / ピストル・ディスコ ☆☆☆☆
かなり硬いギターの音造りがされてるはずだが、耳に刺さる事はない。チバユウスケのボーカルはイヤホンによっては子音が耳に刺さるがギリギリのバランスながら破綻せず聴ける。とは言っても迫力や鋭さはしっかり表現できていると思う。
3曲目 Michael Jackson / BAD ☆☆☆
この曲の良さの一つであるキックとベースによるリフの格好良さが充分に堪能できる。2番から入ってくるギターのカッティングもある程度空気感が感じられるが、スネア代わりのクラップのやホーンセクションを際立たせる程の拡がりまではないか。音場は広いとは言えないが、パワーや密度にパラメーターを振ったんだなと思う。
4曲目 Rolling Stones / Sympathy For The Devil ☆☆☆☆☆
ベースがいなたくてかなり好み。気持ち良い。ボーカルが明確に主役感がある。元々空間が多い音作りの為、ピアノやパーカッションの拡がりもこの曲にちょうど良い位だと思う。この曲には非常にあったイヤホンだと思う。
5曲目 Billie Eilish / bud guy ☆☆☆☆☆
沈み込むローが気持ち良い。ボーカルの近さも良い。没入感が高くて気持ち良く聴ける。ビリー・アイリッシュの良い意味のエロさがしっかり聴ける。
6曲目 METALLICA / SAD BUT TRUE ☆☆☆☆
迫りくる音の壁。しかしながらテクスチャは潰れず、発売当時は聴き取れなかったはずのジェイソン・ニューステッドのベースもしっかり聴こえる。ラーズ・ウルリッヒのシンバルも刺さる事なくあー90年代にこのイヤホンが欲しかった。
7曲目 ももいろクローバーZ / 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」 ☆☆
音の洪水のこの曲の良さはこの価格帯で出し切るのは流石に厳しいか。ボーカルが近いのは良い。ハイに一部潰れてるというか、刺さり気味になる箇所がある。上記の他の曲と同じボリュームだと少ししんどいかも。
8曲目 雅 / 咲き誇る華の様に ☆☆☆☆
硬い音色から温かみのある音色まで幅広いアコギが気持ち良い。ブーミーなベースにも芯があり、後半にストリングスも入るとかなりゴージャス。気持ち良い。
9曲目 東京事変 / 遭難 ☆☆
イントロ出だしをはじめギターが少し刺さる。その特徴があるので試聴曲に選んでるのだが、この曲と猛烈宇宙交響曲は流石にこのクラスのイヤホンでは難しかったかな。
10曲目 Aerosmith / I Don’t Want To Miss A Thing ☆☆☆
この曲は普通のイヤホンでは奥に引っ込みがちなギターの優しいストロークも良いアクセントに聴こえる。音場はもう少し拡がって欲しいところもあるが、ゴージャスさ美しさは出せている。終盤のクライマックスもギリギリではあるが破綻せず聴ききれた。
まとめ
- ロック系を聴くなら持っているべきイヤホン。今後、1000〜2000円代のイヤホンのベンチマークのひとつとなり得る品質。
- 解像度が高く、耳コピしやすい。耳コピ目的で買うのもアリだと思う。
- パワーはかなりある。芯のあるローが非常に気持ち良い。
- ハイは繊細さには若干欠けるが、同価格帯の他機種より色んな音を届けてくれる。キラキラがギラギラになるのでどちらかと言えば苦手分野か。
- 人によってはボーカルがよく聴こえないという人も出るかも。でもロックバンドサウンドなら俺はこのバランスでもいいと思う。
補足
マイク付きの後継機、有線ピヤホン2ことHSE-A2000PNもあり、筆者も所有してるが、ローがちょっと強すぎる。単純に音楽を聴くならHSE-A1000PNの方がバランスは良いと思う。オンラインゲーム用やオンラインミーティング用としてならオススメ。
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